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パンツ戦線に異変あり!?〜Think about the upcomming pants.〜

ここ数シーズン・・・といいますか、ここ数年パンツのトレンドは細身のテーパードシルエットが不動の地位を獲得しており、それ以外は一切認められないといった様相を呈しておりました。
どのブランドも提案するものは全て細身であり、タイトであればあるほど正義という時代が長く続きましたが、ようやくその独裁政治に終焉の兆しが見え始めています。
実は、3年ほど前に各ブランドが1プリーツや2プリーツのパンツを提案し、僕達も大いにそれを歓迎し、多くセレクトしたシーズンがございました。が、時代はプレーンな細身のシルエットへとどんどん進化している真っ只中であり、当時は全く見向きもされなかったという苦い経験がございます・・・。
しかしながら、どうも今感じている新しい流れは必然性があるといいますか、市場の方が求めているという空気を感じます。前回は供給側のブランドサイドから、ある種強引にといいますか意図的に新たな流れを作ろうとしていたのに対し、今回はどうもお客様のほうからパンツに多様性を求めており、それをブランド側が察知し、様々な提案へと広げていると考えられます。
まぁ、一言で表すと「細身に飽きてちょっと違うのが穿きたい」ということだと思いますが、その「違うの」の解釈がブランドごとに違いますので、その辺りを少しご紹介できればと思っております。



パンツ戦線に異変あり!?〜Think about the upcomming pants.〜

CellarDoor(セラードアー)



岩佐・高階

興奮状態の岩佐・高階

先ずはトップ画像にも使用した、guji一押しブランドであるCellarDoor(セラードアー)から。
数多くのメゾンブランドのOEMを手掛けている名門ファクトリーが生み出すニューカマーであり、サルトのテクニックを駆使したこだわりの仕様や多彩な生地セレクションでgujiファーストシーズンから人気のブランドです。


Filippo Bettanin

男前でナイスガイなデザイナーFilippo Bettanin(左)

このブランドの特徴は、とにかく美しい仕立てと多彩なバランスのシルエットでして、ほんとうにセンスが良く、美的感覚に優れたパンツを生み続けるところです。 シルエットを作り込む際、修正や微調整を繰り返し磨き上げていくという感じではなく、大きな塊からカタチを彫り出すように初めからどんな形を生み出すか完璧に計算した上で構築しているような、無理の無い芸術性が感じられるところが魅力です。


ワイド

ワイド&ワイド&ワイド

左からプリーツ入り、プリーツなし、シャーリングなんですが、異なるバランスのすべてが美しく、クリーンで洗練されています。 私個人的にもこのブランドに最も熱いものを感じましたし、まだまだ知名度の高いブランドではないですが、飛躍の可能性を感じずにはいられません・・・。


イタリア軍納入の生地を使用する

イタリア軍納入の生地を使用するハードルはなかなか高いとこのこと

ちょっとかわった生地もございました。 イタリア軍で実際に使用されている生地もコレクションにあり、セキュリティの関係上欲しいといってすぐ手に入る代物ではないようですが、そんなマニアック生地もgujiではオーダーをしておりますので楽しみにしていてください。


全てプリーツ入り

手に取るものは全てプリーツ入り

VIGANO(ヴィガーノ)



続きまして、エレガンテスポルティーボなアイテムを中心にセレクトしているVIGANO(ヴィガーノ)です。他のブランドではあまりみられないシャーリングのディティールやリブの雰囲気が特徴で、gujiでも定番的に人気のあるブランドですね。


解説を聞くgujiバイヤー陣

輸入代理店SDI坂下氏・大橋氏の解説を聞くgujiバイヤー陣

数年前空前のヒットを記録したことも記憶に新しいカーゴパンツが復活の兆しを見せています。
僕たちは様々なパンツブランドを見ては「カーゴ無いですか?」と呪文のように唱えていたんですが、ほとんどのブランドが「ないです」との返答、そんななかなんとか見つけたSIVIGLIAやINCOTEXで1〜2型オーダーしていたものはニッチな需要を確実にとらえ、2015秋冬シーズンも凄く人気がございました。
そんな探されている方が意外に多いカーゴがVIGANOにラインナップされており、ここでもバリエーションの広がりを感じました。やはり風向きは変わってきていますね。


デニムコレクション

VIGANO初のデニムコレクション

デニムの広がりも久々に感じられます。経験がものをいう定番性の高いアイテムだけになかなか新規参入のハードルは高そうですが、ここでも細身一辺倒ではなく、サルエル風の腰周りにゆとりを持たせたシルエットやプリーツ入りが増えてきています。


AMAN木戸氏

この1年で飛躍的に筋肉量が増えたAMAN木戸氏(中)

BERWICH(ベルウィッチ)



彗星の如く現れ、確実に人気ブランドの一角に食い込んだBERWICH(ベルウィッチ)でも初となるデニムコレクションが展開されていました。もともと多彩なシルエットで定評のあるブランドだけにデニムでもその流れは踏襲されており、豊富なシルエットでラインナップされています。


日本製デニム生地

違いがわかる男になるための日本製デニム生地

イタリア製デニム生地

独特の色気を放つイタリア製デニム生地

デニム生地も日本製とイタリア製の2種類が用意され、取り組みの本気さが伺えます。
一般的にデニム生地は日本製が世界一のクオリティであり、ヴィンテージデニムのように色が落ちるという意味でもっとも美しいデニムとされていますが、なかなかどうしてイタリア製も素敵です。この辺りは完全に好みの範疇になりますので、直感でお選び頂くとよさそうですが、日本製の方がちょっとお高くなっております・・・。


INCOTEX(インコテックス)

そして真打INCOTEX(インコテックス)では、カジュアルラインのINCOTEX SLACKS(インコテックス スラックス)のバリエーションが格段に増えており、新しいところではダメージ系もラインナップされています。


亀が少しだけ小ぶりに

亀が少しだけ小ぶりになりました

ディティールにはこだわり過ぎる

ダメージはやり過ぎず、ディティールにはこだわり過ぎる

グランジテイストを彷彿させるバキバキのダメージではなく、上品にリペアが施された控えめぶりがなんともINCOTEXらしいバランスですが、ダメージに当てられたパッチの素材や色などは全て完璧に管理されており、一分の隙も感じさせない追及ぶりが好感触です。


糸まで細かく指定

糸まで細かく指定する徹底ぶり

―最後に―

・・・という感じでまだお出しできない情報もあり、ほんの一部ではありますが新たな流れを感じさせるアイテムをご紹介させて頂きました。 この流れが顕著に表れるのは2016秋冬シーズンからですが、ちょっとしたシグナルは既に察知しており、gujiではそれをオーダーにも反映させておりますので、来る2016春夏シーズンのセレクトにも是非ご期待下さいね!!



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